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「ぶっちゃけさあ、どういう目でみてんの? 僕のこと」
「え?」
「聞こえたんでしょ? 僕に『性別』ないって」
「はいっ」と、天然記念物は笑顔で答えた。……尻尾が見えるような気がしてきた。なんか犬っぽい。
「タイプだなーって。今のところは……」
「あ、でも」と言いかけて、天然記念物は、うーん? と、少し眉間にしわを寄せて小首を傾げた。
しばらくして
「でも今こうして話してると、同性と話してるような感じがなんとなくしてます」
「よく言われる」
今まで寄ってきた奴らの一部も最初は大抵そう言うし、仲間内は全員生粋の男や漢で、絡み初めの時もカミングアウトした今もそういう感覚らしいし。
仲間内に関してはカミングアウト遅かったし別にいいんだけど、前者は
「なんで?」
「なんで!?」
天然記念物は、あわあわと首を捻る。けれど、いまいちしっくりくる理由が見つからなかったらしい。
天然記念物は苦笑しながら言った。
「えっと僕……いやえっと、俺実は……バイなんですよ」
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