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「ほう」と、僕はなんの感情もなく相槌を打った。
「僕も最近まで普通にそう思ってた」
「あ！ だからかも！ それ、言いたかったことかもです！ なんかしっくりくるっていうか──」
バイ。『バイセクシャル』ＬＧＢＴＱのＢにあたる。
両性愛者。男性と女性、どちらにも恋をする。
僕も最近まで、自分は『女』で、女である私はバイなのかと思っていた。
けれど今は少し違う。色々言われて教えてもらって調べて、しっくりきたのが今。
正直今の状態はバイに当てはまるのかもわからない。女性にでも男性にでも恋愛感情は抱くからそうなのかもしれない。けれど──……。
こればっかりは感覚というか認知の問題だからなあって感じ。よくわからない。
だからクエスチョン？
「あのー……？」
「あ、ごめん。考え事してた」
我に返ると、天然記念物が困惑顔をしていた。
「バイについてですか？」
「そう」
注文したパフェとカフェオレが届いた。
「なんか色々、自認するのとかするまでっていうか。大変っていうか、自分でもよくわかんないとこってありますよねえ」
「……ほんとにね」と、僕はパフェにスプーンを入れた。
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