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〜東京湾令和島近海〜
羽田空港沖を周り、クルージングは夜景に輝く東京へと帰途についた。
令和島を過ぎようとした時。
操舵室のドアが開いた。
「こらこら、ここは部外者立ち入り…えっ?」
「黙って言う通りにしろ。容赦はしない」
9mm機関拳銃を構えた男が1人。
馬場篤郎、元陸上自衛隊員。
熊本で肉牛の酪農家だった両親は、牛肉に見つかったウィルスの風評被害に遭い、自殺に追いやられた。
Justiceの命により、佐々木の両親が乗ったセスナを撃墜した犯人である。
「わ…分かった。何が望みだ?」
船長が落ち着いて話しながら、彼に一歩近付き、わざと気をひく。
「動くな!」
その隙に、少し後ろにいた操舵手が、右下にある通信機のスイッチに手を伸ばす。
訓練された彼に、そんな小細工は通用しない。
「バババッ💥」
「グァ!」
「永島⁉️」
船長の叫び虚しく、床に倒れる彼。
見る見るうちに、血溜まりが広がる。
「お前、何考えてるんだ❗️」
「遊びじゃない。警告はしたはずだ。今からお前が舵をとり、ここへ船を着けろ」
赤丸がついた地図が渡される。
「さっさとしろ!言っておくが、船の操縦は俺でも出来る。無駄に死にたくなければ従え」
「ババババババ💥」
それを告げ、下調べ済みの無線機や救難信号などの装置を、全て破壊した。
「クソッ!」
仕方なく、地図の位置へ進路を変える船長。
他のクルーは皆んな、麻酔で眠らされている。
〜対策本部刑事課〜
昴も手伝い、賢明な会場探しが行われている。
紗夜の説得が通信機から続く。
「松永裕二の意識が戻ったことは、星谷が仕掛けた盗聴器で知り、彼女は病院に現れた。その際に報道各社へも連絡を入れたと考えます」
「しかし…星谷自身も、マスコミを恨んでいたのは分かるし、テロの仲間で間違いないわ。彼らが呼んだ可能性もあるんじゃない?」
紗夜への信頼は高い。
咲は否定するのではなく、他の懸念を払拭したいのである。
「決め手は、宋沐阳の雇い主が、佐々木萌だと言うことね。松永裕二の話でも、空港爆破時に宋の通信を受けている。少なくとも佐々木は黒よ」
やっと宋の家から脱出した桐谷。
自ら確認した、2人の繋がりである。
それについては、誰も異論は無かった。
だが、今回のSNS争奪戦については、佐々木の関与は明らかではない。
〜先端医療工学大学病院〜
オペを終えて、松永裕二に貸していた部屋のベッドに座り、ボーっと彼の面影を探す莉里。
(あ〜あ、私としたことが、何やってんの❗️)
諦めて立ち上がる…が、やはり気になり、紗夜に連絡を取ろうと、ポケットを探る。
「あれ?」
自分のラボに戻り、辺りを探す莉里。
念の為に、手術室も確認してもらった。
「おかしいな…どこへ?」
ふと、ある疑念が湧いたが、直ぐかき消した。
(それはないわね、意味ないし)
そうして、また探し始める莉里であった。
そんな時。
刑事課メンバーの通信機に、声が入った。
「随分と、楽しませてもらったわ」
一瞬、思考が停止し、固まるメンバーたち。
その膠着を、紗夜が解く。
「佐々木、萌⁉️」
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