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飛鳥組が作った道を通り、紗夜達も中へ。
「土屋、桐谷、淳、彼らを外へ」
しかし…
佐々木を気にして動かない彼ら。
「こいつら、意外と律儀な様で」
「おぅ近藤、い…生きてたか💦」
傷だらけで、ボロボロの姿の近藤。
「ここはいいから、仲間連れて病院へ行け。TERRAの医療機関にいる、月島風花って先生に話はつけてある。ご苦労だった」
「押忍!しかし神さん、堅気の若い奴らにも、仁義ってのがまだ残ってる様で」
「まだまだ、捨てたもんじゃねぇな」
ステージに立つ、佐々木に集まった彼ら。
それへ涙の笑顔で話す。
「皆さん、さあ行って。私のことはいいから。酷い思いをさせて、ごめんなさい」
「萌ちゃん、一緒に行こう!」
「俺たちが、間違っていたんだ、謝らないで」
「謝るのは私達の方、ごめんなさい」
その状況を、少しの間見ていた紗夜達。
「SNSを含め侮辱罪や名誉毀損罪は、かなり厳罰化されて来ましたけど、まだまだ捜査機関側の配備や意識が低いですからね」
「昴さんの言う通り、私達も呼びかけや対策を考えないといけませんね」
紗夜と昴の会話を聞き、花山と富士本も身が引き締まる思いであった。
「さぁ皆んな、後は俺たち警察に任せて、早く出て行くぜ」
淳一と土屋、桐谷の誘導で、振り向きながらも出て行く皆んな。
「さて佐々木💢。いい加減に出てきなさい!」
仁王立ちしたミニスカハイヒール。
必死に怒りを抑えているのが分かる。
「さ💦佐々木さん。もう終わりにしましょう」
咲より前に出て、紗夜が説得に入る。
(あれは…まさか⁉️)
佐々木の後ろ。
3:00:00 と表情されたモニターが気になる。
「貴女が…紗夜刑事ですね。この強化ガラスの壁は、もう開きません」
モニターを見た紗夜に気付いていた。
手に持ったスイッチを見せる。
「佐々木⁉️」
みんなもそれに気付く。
「クソッ、退いてろ❗️」
「ダン💥ダン💥ダン💥」
神が、銃を抜いて壁を撃つ。
「無駄です。特殊な強化ガラスだから」
「チッ!これでどうだ❗️」
背中から日本刀を抜き放つ神。
「何でそんなものを⁉️」
咲の声も聞かず、精神集中する神。
「フンッ❗️」
「ガシンッ💥」
渾身の一撃がガラスにぶつかる。
…僅かに傷が付いた。
「ダメか…」
「当たり前でしょ!斬鉄剣じゃあるまいし💦」
「フフっ…咲さん、仲間がいるって、素敵ですよね。羨ましい」
「何言ってんよ❗️そんな台詞は、ちゃんと生きてから言いなさい❗️」
「そうよ佐々木さん。私も…私も幼い頃に、自分の弱さ故に、自分の親と兄を殺したのよ❗️それでも、今こうしてここに生きています。諦めないで❗️」
「紗夜…」
「えっ?」
「どう言うこと?紗夜?」
知っている咲や富士本、淳一。
知らないその他面々。
「そうよね…私より不幸な人もたくさんいる。でも私は、こんな形でしか生きられなかった。知らず知らずに他人を傷つけ、殺していることに気付かない人達。罰を受けない殺人者達を…私は、許せなかった」
佐々木が、手の中のスイッチを押した。
「佐々木⁉️」
桐谷の聴覚がそれを聴き取る。
皆んなが観ている前で、モニターのカウントダウンが始まり、床に座り込む佐々木。
シューっと、何かが漏れ出す音。
その周りを、薄い褐色の霧が包み込んで行く。
「佐々木さん、止めて!死んじゃだめ❗️」
「紗夜さん、これはもう止められないの。3分で死ぬって…あの殺し屋さんが言ってたわ。これが私の2つ目の殺人計画」
「そんな…自分じゃない⁉️」
「殺人計画…って!、自殺してんじゃねぇ❗️」
だんだんと見えなくなる佐々木に、皆んなガラスに手を突いて、顔を近付けて見ていた。
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