【7】罰なき殺人 〜終幕〜

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飛鳥組が作った道を通り、紗夜達も中へ。 「土屋、桐谷、淳、彼らを外へ」 しかし… 佐々木を気にして動かない彼ら。 「こいつら、意外と律儀な様で」 「おぅ近藤、い…生きてたか💦」 傷だらけで、ボロボロの姿の近藤。 「ここはいいから、仲間連れて病院へ行け。TERRAの医療機関にいる、月島風花って先生に話はつけてある。ご苦労だった」 「押忍!しかし神さん、堅気(かたぎ)の若い奴らにも、仁義ってのがまだ残ってる様で」 「まだまだ、捨てたもんじゃねぇな」 ステージに立つ、佐々木に集まった彼ら。 それへ涙の笑顔で話す。 「皆さん、さあ行って。私のことはいいから。酷い思いをさせて、ごめんなさい」 「萌ちゃん、一緒に行こう!」 「俺たちが、間違っていたんだ、謝らないで」 「謝るのは私達の方、ごめんなさい」 その状況を、少しの間見ていた紗夜達。 「SNSを含め侮辱罪や名誉毀損罪は、かなり厳罰化されて来ましたけど、まだまだ捜査機関側の配備や意識が低いですからね」 「昴さんの言う通り、私達も呼びかけや対策を考えないといけませんね」 紗夜と昴の会話を聞き、花山と富士本も身が引き締まる思いであった。 「さぁ皆んな、後は俺たち警察に任せて、早く出て行くぜ」 淳一と土屋、桐谷の誘導で、振り向きながらも出て行く皆んな。 「さて佐々木💢。いい加減に出てきなさい!」 仁王立ちしたミニスカハイヒール。 必死に怒りを抑えているのが分かる。 「さ💦佐々木さん。もう終わりにしましょう」 咲より前に出て、紗夜が説得に入る。 (あれは…まさか⁉️) 佐々木の後ろ。 3:00:00 と表情されたモニターが気になる。 「貴女が…紗夜刑事ですね。この強化ガラスの壁は、もう開きません」 モニターを見た紗夜に気付いていた。 手に持ったスイッチを見せる。 「佐々木⁉️」 みんなもそれに気付く。 「クソッ、退()いてろ❗️」 「ダン💥ダン💥ダン💥」 (じん)が、銃を抜いて壁を撃つ。 「無駄です。特殊な強化ガラスだから」 「チッ!これでどうだ❗️」 背中から日本刀を抜き放つ神。 「何でそんなものを⁉️」 咲の声も聞かず、精神集中する神。 「フンッ❗️」 「ガシンッ💥」 渾身の一撃がガラスにぶつかる。 …僅かに傷が付いた。 「ダメか…」 「当たり前でしょ!斬鉄剣じゃあるまいし💦」 「フフっ…咲さん、仲間がいるって、素敵ですよね。羨ましい」 「何言ってんよ❗️そんな台詞(せりふ)は、ちゃんと生きてから言いなさい❗️」 「そうよ佐々木さん。私も…私も幼い頃に、自分の弱さ故に、自分の親と兄を殺したのよ❗️それでも、今こうしてここに生きています。諦めないで❗️」 「紗夜…」 「えっ?」 「どう言うこと?紗夜?」 知っている咲や富士本、淳一。 知らないその他面々。 「そうよね…私より不幸な人もたくさんいる。でも私は、こんな形でしか生きられなかった。知らず知らずに他人を傷つけ、殺していることに気付かない人達。罰を受けない殺人者達を…私は、許せなかった」 佐々木が、手の中のスイッチを押した。 「佐々木⁉️」 桐谷の聴覚がそれを聴き取る。 皆んなが観ている前で、モニターのカウントダウンが始まり、床に座り込む佐々木。 シューっと、何かが漏れ出す音。 その周りを、薄い褐色の霧が包み込んで行く。 「佐々木さん、止めて!死んじゃだめ❗️」 「紗夜さん、これはもう止められないの。3分で死ぬって…あの殺し屋さんが言ってたわ。これが私の2つ目の殺人計画」 「そんな…自分じゃない⁉️」 「殺人計画…って!、自殺してんじゃねぇ❗️」 だんだんと見えなくなる佐々木に、皆んなガラスに手を突いて、顔を近付けて見ていた。
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