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第一話
ここは人間界のとある住宅街。
公園では今日も猫たちがナワバリ争いをしている。
とても騒がしい。
そんな中、一匹の黒猫が現れる。
すると途端に争いをしていた猫たちは静まり、一気に大勢の視線が黒猫に集まる。
ただ一人、いや一匹の黒ブチの猫が状況を把握できていない様子。
その猫は仲間に「ブチ」と呼ばれている。
つい最近この住宅街に来た猫だ。
ブチは隣に座るベテランの茶色の猫に状況を聴く。
「あの、エレンさん。今ってどういう状況なんですか?」
エレンと呼ばれた茶色の猫はブチの質問にとても驚いた。
「ブチ、貴方知らないの?あの黒猫はとてつもない魔力を持ち、不老不死の猫として有名なのよ。私達はそれを実感しているから彼には手出しができず、彼に逆らった者もいないわ。」
「戦ったことあるんですか?」
「いいえ、ないわ。」
「じゃぁなんで言い切ることができるんですか?戦ったこともないのに決めつけるのは良くないと思います。」
「貴方もあの黒猫の間合いに入ってごらんなさい。きっと怖気付いて動けなくなるわ。」
そう言うとエレンはブチのそばから離れた。
(確かにあの黒猫からはただならぬ魔力が感じられる…)
ブチは一匹ゆっくりとだが黒猫のもとへと足を運んだ
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