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(あの場所ならいるかも...)
魁は思い当たる所が1か所あったのでイチかバチか行ってみることにした。
魁が向かった場所は2人が出会った小学校だった。学校は以前廃校になっていて誰もいない。
「懐かしいなぁ。と一つ一つ教室を回っていると、人影が見えた。
「蓮!!!」と魁が叫ぶと、驚いた顔で蓮人が振り向いた。
「魁...どうして」とまた蓮人が逃げようとしていると魁が蓮人の手を掴んだ。
「蓮、待って。話がある」
「俺はない」と頭を下げた。
「蓮。僕の顔、見たくないから見なくてもいい。僕ね、初めてちゃんと好きな人が出来たんだ。僕みたいな奴の面倒見てくれて、すげぇカッコよくて、物静かだけど絶対僕の傍にいてくれて、僕の見方でいてくれる。早川蓮っていうんだけどね」
えっ?と言いながら、蓮人はゆっくり魁の方へと振り向いた。
「僕、ずっと蓮のこと好きだったのに周りの目を気にして言えなかった。さっき璃空に会ってちゃんと話してきた。僕は蓮が好きだって。僕、男を好きになっちゃいけないってどこかで思ってたんだ。小学生の時、馬鹿にされたこと思い出して怖かったんだよね。すごく臆病だろ?」
ううん。と蓮人は首を振り、魁の手を両手で包んだ。
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