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「それにね、さっき佐倉くんに怒られたんだ。本当は蓮のこと好きなくせに逃げてんだろって言われた。まさにその通りだと思ったよ。僕はずっと逃げてばっかりでなにもしてこなかった。でも、やっと自分に正直になれるよ」と優しく蓮人を見て微笑んだ。
「僕、早川蓮人が大好きだ」とニコっと笑い、蓮人に抱きついた。
「好きで好きで仕方ない。俺は、蓮が大好きだ」と強く蓮人を抱きしめた。
心臓の音がドクドクと鳴り、蓮人にも聞こえていただろう。
崩れた顔で、ボロボロと涙を流していた。
一滴の涙が床に流れ落ちた。
「蓮、僕は...」
うんうんと頷き、蓮人が魁の頭を撫でた。
「僕、本当は蓮が他の人に取られるなんて考えらんねぇ。蓮が傍にいねぇと楽しくないってことが分かった....」
そうか。と蓮人が魁の涙を手で拭った。
「わかってねぇ...だろ」
「わかる。それより、お前すげぇ顔だぞ。目、真っ赤」とくすっと笑った。
「うるさいっ。」と蓮人の手を退けて、また涙を流した。
魁が騒いでいると蓮人が背伸びし、頬に手を当て唇にキスをした。
魁は驚き、目を開いていた。
「魁、俺も大好きだよ。俺はどんな魁でも大好きだ。これから先もずっとそれは変わらない」と優しく微笑み背中に手を回した。
「って、お前ってほんとずるい。」と睨みつけ手の甲で口元を隠した。
ハハっ。と蓮が魁を見て笑った。
「笑うなよ。」とムスッと口を膨らませた。
「魁が可愛いから、つい。」と手を伸ばし頬にキスをした。
かぁー――と顔を真っ赤にさせ、ふんっと腕を組みそっぽを向いた。
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