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すると、蓮人がなにも言わず後ろからぎゅっと抱きついた。
蓮人から抱きつくなんて珍しかったので魁は少し驚いた。
「俺、今すげぇ幸せ。魁と恋人になれて...」と言葉を嚙みしめた。
「それは俺も同じだよ」
魁が蓮人の手を握った。
「魁、ありがとう」
「うん?」
「俺のこと好きになってくれて」
魁が振り向き、蓮人を包み込むように抱きついた。
僕たちはこれから困難があったとしても乗り越えていくだろう。
そして、僕は蓮のことを何度だって恋をする。
僕は大切な人と恋人になれたんだから。
そう、この手は永遠に離さない。何があっても。
「なぁ、蓮。屋上行こうよ」
「開いてるのか?」
魁は蓮人の手を引っ張り屋上まで走った。
屋上に入るとちょうど、花火が上がっていた。
「おぉ!やっぱり、ここからだと綺麗に見れるんだな」
「すごい...」と蓮人がポケットからスマホを取り出した。
「魁」と呼びかけ、カメラのシャッターを押した。
花火と振り向いた魁の写真が撮れ、蓮人は一人写真を見て笑っていた。
「どうしたんだよ、蓮」
「なんでもない」
「どうせ、俺の写真撮ったんだろ、見せろよ」
蓮人が必死にスマホを守ろうとして背伸びをして腕を伸ばしていた。
すると、魁のポケットから何かが落ちた。
「なにこれ?」
「あっ、それは...」と慌てて、蓮人から取り上げようとすると、蓮人が袋を開けた。
「リング?」
あちゃーと手を額に当てて空を見上げていた。
「魁、これどうしたんだよ?」
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