3人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから俺、男。ほら、佐倉佑都。それに彼氏いるから諦めろ」
佑都が生徒手帳を見せて魁が驚いていると、後ろの方から男の人の声がした。
「さーちゃん」と手を振っていたのは、蓮人と同級生の祐大だった。
「あれ?君、魁くん?どうしたの?」
「えっ、いや。その…」
「こいつ、俺に告白してきたんだ」
「おっ、おいっ」
それから祐大に起きたことの事情を話すために、3人でベンチに腰かけた。
「ハハハッ。なるほどね。さーちゃん、可愛いもんね」と佑都の顔を見て微笑んだ。
すると、佑都が祐大の口を手で押さえた。
魁はあまりにもショックで頭を抱えて下を向いていた。
「まさか、男だったとは思ってなかったなぁ」とはぁーとため息をついた。
佑都の手をのけ、魁に話始めた。
「わかるよ、魁くん。俺だって、さーちゃんのこと最初女の子だと思ってたもん」
「お前ら、女、女ってうるさいな。俺は男だって言ってるだろ。こういう格好が好きなだけなんだよ」とムスッと口を膨らませた。
よしよしと佑都が優しく微笑み、頭を撫でた。
「あの...佐倉さんの彼氏さんってもしかして...」と祐大を指差した。
「そうだよ。俺の彼氏は祐大さんだ」と腕を組んだ。
「やっぱりそうなんだ。いいなぁ、こんなかわいい子と付き合えて、祐大さん羨ましいっす」
えへへと顔を緩まして、後ろに手を回した。
「祐大さん、気持ち悪い」
「えっ、気持ち悪いの俺?ひどいよ、さーちゃん」
2人の姿を見ていて、魁はニコッと優しく微笑んだ。
「さてと。2人の邪魔したら悪いんで僕、帰ります。じゃあ」と2人の元から足早に去って行った。
「あっ、魁くん!あらら、行っちゃったね」
「騒がしい奴だったな」
最初のコメントを投稿しよう!