一粒のピース

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*********************************** 僕は昔から恋愛とは無縁だった。 好きな子ができても、俺はいつも振られてばかりで付き合った人数も0(ゼロ)。 女とは縁がなく唯一、一緒にいてくれたのは蓮だった。 蓮はモテるのに、あいつも彼女がいなかった。 「彼女とか作らねえの?」と尋ねるといつも「好きな人がいるから」と言われて、どんな子か聞き出そうとするけど未だに教えてもらえずわからない。 蓮は俺が振られると「大丈夫。魁の魅力をわかってくれる人はきっといる」と優しく声を必ずかけてくれる。 何があっても俺の傍にいてくれたのはいつも蓮だけだった。 小学生の時。俺はある男の子に告白した。まぁ、案の定振られて翌日にはクラスだけではなく、学年全体に男に告白したことがバレた。 その時の皆からの視線は痛かった。ただ、好きな子に告白しただけだったのに。 学校全体に広まるのも早かった。そして、俺は友人を失い一人ぼっちになった。 またあの時みたいに「気持ち悪い。」って言われるのが本当は怖い。 だけどそんな僕に蓮は、「大丈夫か?帰りに公園で遊ぶか?」と言っていつも励ましてくれた。あの時は凄く泣いたのは覚えている。 俺がもし、今好きだと告白したらあいつはどんな顔をするだろうか。 *********************************** 俺は逃げた後、近くの土手で寝転がっていた。 「あれ?魁」と遠くから呼ぶ声が聞こえた。 「おぉ...」と手をあげて返事をした。 「どうしたんだ?また、振られたのか?」と言いながら、蓮人がオレンジジュースを手渡した。 「そうだよ。とどめさすなよ...」と顔を手で隠し、ため息をつきわかりやすく落ち込んだ。 蓮人は魁の背中を優しく叩いた。 「そんなに落ち込むなって。女の子なんていっぱいいるって言うしな」 「...こだったんだよ。」とボソッと呟いた。 「え?」 「だから…とこだったんだよ。」
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