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「どうして?」ケイトは厳しく尋ねた。
「ビスケットちゃんは大型犬で、お年寄りでしょ?私、介護とかもうできないし。それにここは私の彼氏の部屋なんだけど、犬は飼えないの。
小型犬のチョコちゃんならバレないかなと思って連れて来たけど、あの子吠えるでしょ?すぐ大家さんに見つかっちゃって。
それであの牧場に。ビスケットちゃんもいるからいいかなと思ってお願いしたの」正当な理由だとでも言うようだった。
「サムさんに許可を得たんですか?」
「そんな言い方しないでよ。彼とは酷い別れ方だったから話したくなかったの。私だって飼える状況だったら飼ってたわ」ジョリーンは悪びれず言った。
「だから、サムさんに面倒を見て欲しいと言わなかったんですね?」
「えぇ…」目を反らす。
「それはお願いしたことになりませんよね?飼える状況なら飼ってたとおっしゃいましたが、チョコレートだけですか?ビスケットは最初から置いていくつもりだったんですよね?」
「それは、そんな…」
「サムさんには飼う意志がありませんでしたよ。もし譲る場合でも飼い主の登録は変更しなければなりません。飼うときにそう指示されませんでしたか?前の住所と電話番号のままでしたよ」ケイトは昨日行った住所を告げた。
「そこは2匹を飼っていた時に住んでいたところよ」
「いつのことですか?」
「さぁ?よくわからない」ジョリーンはとぼけた。
「ジョリーンさん。正直におっしゃってください。嘘をついてもこちらは調べられるんですよ」ケイトは詰め寄った。
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