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真相
「秦探偵事務所のご子息? 本当に?」
《間違いないわ。彼が通っていた大学に訊き込みに行ったの。彼の写真を見せて、入江 光で卒業名簿を確認してもらったけど入江という人物はいなくて、写真が一致したのは秦 匡哉という人物だった》
「大学は本当に通っていたんだ」
《そうなの。卒業した大学も違う大学を言われていたら、こんなに早く見つけられなかった。それで同期の卒業生に彼の事を訊こうかとも思ったんだけど、そもそも『秦』っていう名字って珍しいじゃない》
「確かになかなか聞かないよね」
《でしょ。でも私には『秦』っていう人物が2人になった。珍しい名字なのに…秦探偵事務所の秦社長と秦 匡哉。秦社長の事を調べてみると、案外あっさり匡哉という息子がいる事が分かったの》
「でもどうして偽名で『ラブ&ピース』に? それになぜ、彼が今回の犯人だって思ったの?」
《全ての真相は本人に訊いてみないと分からないけど、今回の件は、澪か星野さんに何らかの想いを持っている人の犯行。特に澪、あなたね》
「私に…」
《星野さんより先に帰る澪に見てもらう為、澪が帰る時間を狙ってポストに封筒を入れに来ているわ。マンションの防犯カメラにパーカーのフードを被った人物が、白い封筒を入れているのを見つけたの》
澪はとっさに星野の顔を見る。西原は話を続ける。
《でも1通目だけじゃ、正直、はっきりとした犯人像はつかめなかった。けど2通目の事を聞いて、捜査対象を絞る事が出来た。犯人は2人の仲を裂くのが目的。澪に想いを寄せる人物だと思ったの。最近だと彼が一番怪しいでしょ。だから彼を調べたの》
「でもはっきりとした証拠はないんでしょ?」
《そうなの。だから本人に直接訊く事にしたの》
「えっ、本人に訊くって?」
《秦君に連絡して別の件でオフィスに呼び出したの。澪、明日仕事が終わったらオフィスに来れる?》
「うん…」
澪が返事をすると、黙って聞いていた星野が口を開いた。
「こんばんは、西原さん。お久しぶりです」
《えっ、あ、星野さん? こんばんは、お久しぶりです。いらっしゃったんですね》
「はい。話を聞かせてもらいました」
《あ、えっと…澪から話は…?》
「聞きました。あの、明日、私も行かせてもらっていいですか?」
《それは別に構いませんが。冷静に話を訊きたいと思いますので、くれぐれも冷静な対応でお願いします》
「はい…」
電話を切った後、ベッドに入った2人は星野が言った通り、激しく抱き合う。
「澪、もっと口を開けろっ…んっ」
舌の根本まで絡めるような深いキス。澪の息が乱れ苦しくても構わず星野は唇を求め舌を絡ませた。澪の白い肌を焦らすようにそっと指の腹でなぞり、首や胸に唇と舌を這わせる。
「んんっ……あぁっ…」
吐息を漏らし星野の愛撫に感じる澪。体が自然とピクンと跳ね、次第に秘部が疼き腰が揺れる。星野の舌が胸の膨らみを舐め先端を弄ぶ。硬くなっていく先端を離れ、唇と舌は下へ丁寧に口づけていく。
澪の両脚を広げ内腿をそっと撫でて、秘部に指が触れる。ヌルリとした感覚を感じ、星野の指がゆっくりと上下に動き溝を刺激し始める。
「はぁっ……あぁ…ん…」
「澪…んっ…」
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