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「えっ…そうなの? なんで?」
《好きな人が出来たって…》
「えっ…」
(まさか……本当に辞めちゃったの…?)
《会社としては、採用条件にしているだけあって、それを言われると止める訳にはいかないし…幸せになってねとは言っておいたけど…》
「そうなんだ…」
《澪が辞めてから少し経った頃、澪が今どうしているのか訊かれた事があって》
「えっ、光君に?」
《そう。連絡を取りたいから、澪の事を教えて欲しいって》
「それで、桜はなんて?」
《澪が連絡を取ってないみたいだし、言える訳ないでしょ。ハッキリ言えないって言ったわ》
「そっか……ありがと…」
《それで1ヶ月前に辞めたの。入江君の好きな人って、澪でしょ》
「えっ…」
澪は西原に真意をつかれ、戸惑い焦る。それが西原に気づかれてしまう。
《やっぱり。告白か何かされたの?》
「うん、された。携帯を返す前に、私が辞める事を聞いたって電話があって、私が辞めるなら自分も辞めるって言い出したから止めたんだ。だけど、本当に辞めちゃうとは…」
《そっか。そういう事だったのか……でも仕方ないね。入江君なら、どこでも就職出来るだろうし》
「うん、確かに」
《ウチも募集をして、もう男性社員を1人入れたから大丈夫》
「そう……よかった」
《澪が気にする事はないよ。入江君もその内、また素敵な人を見つけるよ》
「そうだね」
その後、2人で他愛もない話をして久しぶりに楽しく、澪は親友との会話を楽しんだ。
*****
「今、店に入っているんだな」
《はい。店に入って2時間が経過しております》
「そうか。そのままターゲットが出て来るまで待機だ」
《了解です》
「店から出て来たところを、撮影して押さえてくれ。画像はこっちで上手くやる」
《分かりました。ではのちほど、そちらに送信いたします》
「あぁ、頼んだ。で、もう片方はどうなっている?」
《そちらも毎日、上手く監視しております》
「分かっていると思うが、そっちはくれぐれも慎重に頼むぞ。元プロだ、絶対に気づかれるな」
《了解です》
「何か進展があれば、その都度報告するように」
《はい》
「じゃ、画像と報告を待っている」
《はい…では、失礼いたします》
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