4 関門1つめ

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4 関門1つめ

 と、いうわけで。  今は木曜日の朝。  昨日も見れたし、たぶん明後日、また見れるはず。  夜にならないと見れないわけだから、詩織ちゃんを僕の家に呼んでお泊まりしてもらうしかない。  お泊まりか……  は、恥ずかしいな。  でも、絶対にあの顕微鏡パレードを詩織ちゃんに見てほしい。  そのための関門は2つ。  お母さんと、詩織ちゃん。  お母さんと詩織ちゃんがOKしてくれて初めて僕の計画は成功する。  よし、まずはお母さんだ。  僕はキッチンに行って、お母さんを呼ぶことにした。  「お母さん、ちょっといい?」 「いいわよ。どうしたの、勉?」 「実はさ、まだOKもらってないから分からないんだけど、ある女の子をうちに泊めたいんだ」  お母さんはちょっと考えて言う。 「ふーん、つまり、その子が好きってことね?」 「な、ち、違うよ! あ、いや、違わないけど……」 「ふふ、分かったわ。頑張って誘ってきて」 「ほんと⁉︎ ありがとう!」  これでお母さんはクリアだ。  あとは、詩織ちゃんだけど、大丈夫かな?  僕はちょっと不安な気持ちで学校に向かった。
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