1 平凡な僕

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1 平凡な僕

「ふんふふーん」  家に帰る足取りが弾む。  僕は、どこにでもいる普通の小学5年生、橋本(はしもと)(つとむ)。  学校の成績がいいわけでもないし、スポーツが特別できるわけでもない。  いたって平凡だ。  ただ一つみんなと違うのは……  顕微鏡が大好きなこと!  いろんなものを拡大して、普通は見えないものが見えてすごく面白いんだ。  それから、ちょっとだけ恥ずかしいんだけどね。  僕は、クラスメイトの詩織ちゃんが好きなんだ。  ませてるって言われるかな?  でも、本当にかわいくて、性格もよくて、天使みたいな子なんだ。  だから僕は、頑張って詩織ちゃんと仲良くなりたいんだけど、うまくできない。  どうにか、今日は学校でよく話すくらいまではいったんだよ。  話しかけてみたら、意外とたくさん話せて、とっても楽しかったんだ!  でもね、その先どうしたらいいかよく分からない。  うーん、うーん……  そんなことを考えてるうちに家に着いちゃった。 「ただいま、お母さん」 「おかえり、勉」 「今日のご飯なにー?」 「今日は勉の好きなカレーよ!」 「本当? やったー!」  そして、僕は今日大好きなカレーを食べた。
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