やっと会えたね

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「真衣ちゃんが、僕をここに連れてきてくれたから、仲間たちと会わせてくれたから、ずっと生きてこれたんだ。真衣ちゃんは、僕の命の恩人だよ。そしてさっきも。車に轢かれそうになった僕を守ってくれてありがとう。ずっと伝えたかったんだ。お礼を言いたくて、一目大きくなった真衣ちゃんに会いたくて、あの時の約束を果たしたくて、毎日真衣ちゃんを探しに行ってたんだけど、僕が迷子になっちゃって…」 「あの時の猫…チコだったんだね」 「会えてよかったよ。本当にありがとう。大好きだよ。まいちゃ……」 * 「まいっ!まいっ!」 気がつくと、目の前に涙でぐしょぐしょのお母さんの顔があった。 「お母さん…」 私の声を聴くと、みるみるうちにお母さんの表情が明るくなった。 後から聞くと、私はもう目を覚まさないと言われていたらしい。 私は眠っている間、とても懐かしい夢をみていたような気がする。でも、どうしても思い出せなかった。 私は、誰も予想していなかったくらい速いスピードで回復し、すぐに退院することができた。
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