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その男性はいぶかしげな顔をして
スーツの内ポケットから
ゴム手袋を取り出しはめてから
わたしの前髪を鷲掴みにし、持ち上げ
顔を覗き込んできた…っ
見知らぬ男性
「汚い、汚すぎる…しかもひどい臭いだ…
こんなに痩せ細って、よく生きてるじゃないか…」
口のはしに親指を入れてきて
歯並びまで確認されてる…
わたし
白雲 空音
「は、ひ…っ」
歯だけは大事にしたくて
使用済みの歯ブラシを使って
歯を磨いてきてけど……
見知らぬ男性
「なるほど…歯だけは
そこそこ綺麗だな…ついてこい…」
その男性はゴム手袋をはずそうとしながら
森の奥へ歩き始めた、けど…
わたしは、その後に続こうとして
足がもつれて芝生の上に倒れ込む…
わたし
白雲 空音
「まっ…て…っ」
男性は振り向いた…
見知らぬ男性
「はあ…まったく、仕方ないな…」
ゴム手袋をはめ直した男性に
足首を掴まれ、仰向けで引きずられる…
スカートらしきぼろ布がめくれて
わたしの汚い下着が丸見えに…っ
わたし
白雲 空音
「…ぁ、あ……」
声がかすれる…
見知らぬ男性
「もうすぐ、つく…」
顔をあげるとさっきの豪邸の門が見えてきて
男性はその門を開けて、庭の中まで連れていかれた…
そこで手を離されて、芝生の上で
大の字のわたしに芝生用の
散水ホースの水をけっこうな勢いでかけてきて
痛かったけど…かなり久しぶりの水浴びに
扱いはどうあれ、わたしは嬉しくなった…!
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