辛杉家の憂鬱 ジョロキュア編2 逃避行

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 早速応募し、面接でどれくらい辛さに耐性があるかを図るため出された激辛インドカレーを完食した。  その後採用。めでたく三食激辛食事と昼寝付きの生活が始まった。  俺の辛さ耐性が異常だとかで血液やら唾液やらを調べたいという物好きな科学者には辟易しながら協力したが、その科学者の中に一人、美人な娘がいた。俺に食事を運んでくる蜜子という娘だ。うん、刺激的だ。  いや彼女から運ばれてきた激辛パフェという珍妙なおやつも刺激的だったけれどもそうではなく。  彼女が手ずから作って運んできたものだと思うと、食べている間動悸と汗と震えが止まらなかったぞ。あと鼻水。  これはきっと恋だな、とがらにもなく思っているうちに、俺の味覚に変化が起きた。  辛いものは好きだ。蜜子が持ってくる料理はいつも辛くておいしい。そのはずなのに、段々と俺は辛味を感じられなくなっていった。  なぜに、と思っていたが、唐辛子をかじってもパプリカくらい味がしなくなったときに気がついた。  あ、これそういう実験の仕事だったわと。
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