謎の湖

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人形の優しさに(ほだ)され、向陽は心機一転罪を償う姿勢を示した。そして髪の毛に触れ、人形の"高速ワープ"で群馬県内にある警察署へとたどり着いた。 そこで向陽は今までの悪事を全部正直に話し、逮捕され刑務所へ入ることになった。 「よかったねオジさん。改心して。でもやっぱり犯罪は許されないよ。ウチ、これからもあの榛名湖畔に時々落ちて、悪い人を取り締まる活動を続けるね。それを警察官であるパパも願ってるし」 人形は警察署の入り口で浮遊しながら、意味深にそう言った。 榛名湖では当時、小さな女の子が誤って湖に転落して死亡する事故が起きていた。この人形の正体は、その女の子の霊が化けていたものだったのだ。 こうしてしばらくの間、榛名湖上空から"(いまし)めの"日本人形が落ちてくるという伝説は続き、群馬県内の犯罪は大幅に減った____という説がある。 めでたし、めでたし。 《完》
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