見つけたり

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「トンキニーズ王国第三王子、ラグドリー・ペルシアと申します。次は私とお願いいただきたい」  トンキニーズ王国王位継承権第一位のラグドリー王子。第三王子とは言え継承権を持っているなんて、それだけで素敵なことじゃない♪  私は、今までに経験したことのない柔らかな温もりに包まれ円舞曲を舞った。  完璧なリードに身を任せ……  浴びる視線を一手に受け……  ラグドリー王子の眼差しに釘づけで……  酒に酔ったかのようで……。  曲が終えるまで優雅に舞うことができた。 「ラグドリー王子、素敵でした」  離れることを拒む手をお互いそのままに、私からは素直な思いを伝えると、 「こちらこそありがとうございましたスコル姫。念願叶って僕も満たされています」  そんなことをさらりと言ってのけてしまうラグドリー王子に対し、熱にうなされるような感覚を覚えた私は、くらくらと少しよろめいた。 「少し風にあたりたいです」  私がそういうと、王子は私の手を離すことなく「それでは行きましょう」とバルコニーへと連れ出してくれた。  次のお相手は自分だと待ち構えていたその他王子たちは所在をなくし、ポカンと口を開けて見ているばかりとなった。貴婦人たちは羨望の眼差しや妬みの視線で、過ぎ行く私たち二人を見送った。
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