やめないで

1/1
前へ
/6ページ
次へ

やめないで

 王子の美しい顔が近づいてくる。王子の前髪が私の額に触れそう。どうなっちゃうんだろう、少し怖いよ。それなのに私は目を閉じて身を委ねようとしている。 「怖い?  何も心配することはないよ。  でも、嫌がることは絶対にしないし君を傷つけたりもしない。  どうする?  やめるかい。  早くしないと……  止める自信がなくなりそうだ」  王子からこぼれる言葉が私の顔をなでる。 ──私は、私は……王子のことが……あぁ〜。  その瞬間、急激な眩暈におそわれ、意識がぶっ飛んだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加