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「そんなに、見んな。うしろ……普段から、少しずつ慣らしてたんだ」
ああ? 普段から慣らしていた……!?
俺が腹筋で勢いよく上半身を起こすと、孝太が目を見開いて驚く。
「おい! びっくりさせんなよ。なんだよ!」
「おまえ、男とセックスしたのか!?」
腹の底から煮えたぎるような怒りが湧き上がった。そんな……、ほかの男とセックスするくらいなら、なぜ俺じゃだめなんだよ。
「馬鹿! 違う! 違うって!! 自分で……その」
「自分、で?」
「えーと。いつかさ、涼介のそれ、挿れられたらと思って……」
俺は絶句した。いろんな想いが渦巻くけれど、言葉にならない。
孝太が? いつか、俺のを挿れたかったと言った?
孝太は言葉をなくした俺の肩を押して、ふたたびベッドに横たわらせた。
「ほら、寝て寝て! 今は、俺のターンなんだからな!」
ふざけたように大声を出すと、ちょっと上目遣いになって、今度はぼそぼそと言う。
「あれ、ある? ……コンドーム」
「いや、ない……」
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