俺の××を返せ

12/19
前へ
/41ページ
次へ
「そっか、よかった。持ってきて」  孝太はやけにうれしそうに笑って、床に放り投げてあった荷物から小箱を持ってくると、枕もとに置いた。中から一個、避妊具を取り出す。 「着けるよ」 「あ、ああ」  孝太の指先がふれると、俺のペニスはピクピクと震え、先走りがにじみ出す。孝太はそれに透明なラテックスをくるくるとかぶせると、「子供のころとは全然違うね」とつぶやいた。 「じゃあ、挿れるから」  俺の腹筋に手をつき、ゴムをかぶったものの上にまたがる孝太。 「言っとくけど、初めてだからな。こんなの」 「わかった……」  唇を尖らせて不満げに言う幼馴染みが、今までとはまったく別の生き物に見えた。やんちゃで朗らかで、ときどきすごくガサツな男。  だけど、今は――。 「んっ、くそ、おまえデカいよ。もっと広げないと……、無理かも……んんっ」  額から汗をしたたらせながら小さくうめく様子は、同じ男とは思えないほど艶めいていて、生々しく扇情的な色気があって。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加