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11.【調理】その1
最初こそぎこちない手付きだったが、俺の指示に従う内に随分と慣れてきたようだ。左手で硬くなった根元を握ると、右手の指の甲で反り返った部分を上下させる。光悦に満ち溢れた笑みを浮かべ、先程までの強張った顔が嘘のようだ。
やがて指は膨らみのある先端部分に差し掛かり、徐に動きを止めた。人差し指で確かめるように擦った後、手のひらで包み込んで念入りに撫で始めた。彼女は愛おしそうな眼差しを注ぎ、手の動きは徐々に加速していく。初めてとは思えない華麗な動きを眺めているうちに、俺は焦りが芽生えた。
『あまり弄られたら、、、まずいな』
限界を悟り、熱を帯び始めたソレを強引に取り上げると次の指示を出した。
「だいぶ慣れてきたみたいじゃないか。じゃあ、そろそろ入れてみようか?」
「えっ!、、、い、入れるって、、、」
「入れると言えば、決まってるじゃないか。君もそれを望んでいる、違うかい?」
「で、でも、、、」
服従を誓ったはずの彼女だが、入れることにはまだ抵抗があるようだ。
「無理にとは言わない、君が決めるといいよ」
敢えて突き放した言い方をしたのは、不安を煽るためだ。追えば逃げるが、素っ気ない態度を取られると意地になるという女心を利用した。
その思惑通り、俺の顔を一瞬見た後、瞳を宙に泳がせて戸惑いを見せる。しばらく放置するが答えは出せず、苦悶の表情を浮かべた。
『さて、そろそろ背中を押してやろうか』
放置から解放してやるのは惜しい気もしたが、彼女の華奢な肩に手を置いて顔を覗き込み、そして耳元で優しく囁いた。
「君はどうしたいの?教えて」
彼女は唇を開く代わりに、首を縦に動かして意思表示を見せた。
『ヒヒッ、そんなんじゃダメだよ』
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