ある夏の終わりに始まる、

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 何故なのか、二人が険悪な空気になっていく。僕はそんな二人を眺めながら、腕を組んだ。実際僕は、アクスのものではないし、今回の場合正しいのはキースだと思う。しかしキースの用件というものにも特に心当たりはない。 「ヴェル! なんとか言ってよ。あと、断ってよ。キースの家に行かないで!」 「僕はキースの家に行くよ。でも用事があるなら、今聞くけど」  僕が答えると、アクスが泣きそうな顔をした。  一方のキースは腕を組む。それから僕の方へと歩み寄ってくると、僕の耳へと唇を近づけた。 「好きだ」 「っ」 「と、告白する予定だ。別に今言っても問題は無い、俺は」 「え……」  思わず僕は目を見開いた。頬が熱くなってくる。  キースが、僕の事を? そう思った途端、嬉しくて胸が温かくなった。ドキドキと高鳴る鼓動、同時に溢れだす幸福感。感動で僕の体は震えそうになる。真っ赤になった己に気づいて、僕は思わず両手で顔を覆った。誰かに見られたくなくて、そのまま全力で下を向く。 「何その反応、ヴェル、ま、まさか……え!? キースと、そ、そういう……?」  アクスの声がする。僕はギュッと目を閉じた。
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