ここはどこどす

1/1
前へ
/53ページ
次へ

ここはどこどす

運転手yは、トンネルの出口で、人影をみた。 こんな所に、人がいるなんて、危ないじゃないか。 テレビの時代劇の撮影をやっているようだった。 トンネルの中で、車を止めるのは、危ないとおもったが、このままでは、人に衝突してしまう。 ウィンカーをだして、トンネルの端に車を止めた。 武将の格好をした人々が、こちらに近づいてきた。 ドアの窓を開けて、「撮影ですか」と話しかけたところ、「お主は、何者候や」といって、いきなり、槍をタクシーの天井に叩きつけてきた。 ドアの窓ガラスを閉めようとしたが、閉まらない。 この騒動に、後ろに乗っていた中年男性も、びっくりして、「この、戦国時代の武将の格好をした集団は何者何なのか。君は、私を太秦の映画撮影所に連れてきたのか。私は、老いの坂の鬼の墓と言ったはずだが。」といって、青ざめている。 運転手yは「老いの坂のトンネルに入った所、この武装集団に出会って、 この集団がタクシーを槍で叩いてきたのです。」と中年男性客に説明した。 戦国武将の格好をした集団にタクシーを取り囲まれてしまった。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加