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その刹那に私は芸を魅せているんだ。分からず屋な未来人、警官。名を平木(ひらき)さんと言う。今度スーパースロー再生が可能なカメラでその刹那の芸を撮ってやる。と平木さんは言う。「空輝…時既に遅しだ。如何にお前を解放しようにも、解放と言うのはつまり、捕虜に対して行うものだからな。それは忍びない。解放さえしなければ、捕虜に非ず。概念から消える。」私は檻の中で遠くを眺め、軈て意識が薄らいだ。何処か救われた気持ちになった私は、虚ろだった。「天下りの役人が女で、栄えはしたが、民の怒りを買った罪で落城を強いられた。私は役人を殺した。跡形もなしにぶっ叩きのめった刺しで殺した。その後暴動が私にもそれをしたのだ。空輝。君は風魔一族何だ。」平木さんは既に死んでおり、永久に国から出れない分際だと言う。未来人とは言え、残留思念として、私の生きる時代より先にあるのだ。「自業自得か…。栄える為に役人は寄越されたんだな。」私は鳥人となり、立場を追われたばかりの様だな。虚しくなり、涙していた。
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