ピーターパンシンドロームファースト

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光学の可能性は光学には留まらず、宇宙に於いて、人の意の侭に加減される。私が弾丸の様に速く飛ぶにしろ。弾丸と同等に速いかは実測しない限りは分からないのだ。「人間大砲の河東(かとう)君だ。同じ檻になるが、文句は言えまい…。」平木さんが連れて来た河東さん。ヨガの達人らしく、人間大砲として活躍している。「アヌスに通ずる様に人間大砲もやり熟しますから、宮浜さんもアヌスに通ずる様に…飛んで…と、飛んじゃってぇー!!」河東さんには大家族があり、出稼ぎの様な感じで見世物小屋に売られたらしい。大黒柱がひょろ長く、柔軟であることが私の先入観を緩和していた。「あっははっ!馬鹿の一つ覚えと言うやつですが、弾丸を逸する速さに達したい。」私は羽の手入れをしながら、気さくに務めたのだった。「あっちゃちゃーっ!……アヌスのことは忘れてね。あっははっ!」まぁしかし、それ以後、さしたるコミュニケーションもなかったのだが…。
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