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人間大砲も乗り手と撃ち手とあるが河東さんにせよ川越さんにせよ乗り手なのだ。「百歩譲って乗り手がハーピーに至るのは仕方ないがな…。」平木さんがまた連れて来た人材。どうやら人間大砲の撃ち手らしく、平木さんより背が高く、幅があり、骨肉隆々で羽が生えていた。「お、小田岸秀一(おだぎししゅういち)ですっ!よろしんごなんでっ!」小田岸と名乗る彼は丁寧で真面目だった。どうやら、急に視力が落ちたらしく、目を薄目にして凝らしていた。「小田岸さんっ!名前は伏せて…。」川越さんが濁した。「あっははっ!飛びたいなっ!空を縦横無尽に飛びたいですっ!」かなりのデストロイな印象はあるが、そうも思えず、私は眺めていた。「空輝…小田岸に至っては期間限定だ。直ぐ羽がもげて治るからだ。根拠はないがな。」平木さんはかなり御冠であり、半ば八つ当たりの様に私を咎めた。「確かに光学兵器スイッチの所為ですから、私がファースター…元凶ですよ。」檻に至っては3人は難しい。何やかんや私は見世物小屋から解放されるのだ。「元凶?ファースター?いやいや、歴史はそうはいかない。ハーピーの第一人者はこの小田岸一族に去来する…。」平木さんは含みを残し、去っていった。「平木さんはあんな風ですが、大丈夫。僕寝相は良いんで…。」小田岸さんは愛嬌たっぷりに笑んでいた。
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