君が好きだ

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君が好きだ

数式をといていたら、頭にポコっと何かが飛んで来た。 消しゴム? 消しゴムだけど、紙でつつんである。 『今日昼メシ何食う?』 包んでいた紙には、それだけ書いてある。 それを飛ばしてきたのは、斜め後ろに座ってる三木だ。 振り返るとニコっと笑って手を振ってきた。 わざわざ消しゴムを小さく切ってまで書く内容じゃないだろ。 授業中に何やってるんだ…、あいつは。 そう思いつつも嬉しい自分がいる事に俺は気が付いている。 この消しゴムも、手紙も、俺にはきっと捨てられない。 俺は三木に友達以上の想いを持っている。 男が男を好きなのはおかしいだろうか…。 きっと、『おかしくない』と言う人は沢山いる。最近は同性の恋愛を否定する人は減っていると思う。 けど、その対象を自分に向けられた時、どう思うだろう。 他人を見ているのと自分に起こるのとでは、きっと違う。 だから、怖い。 自分の気持ちに正直になんてなれない。 好きになったのが男だっただけ。 ただそれだけ。 俺のように男を好きな男はきっといる。 それが君だったらいいのに。 俺は今日も嘘をつく。 本当は好きなのに、友達のふりをして…。 君と恋人になりたいと、心の中で願いながら。
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