1章 久保手山レポート事件

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 それが私たちのすぐ隣、3mしか離れていない所で起こった惨劇だった。 「うそっ?!」  樹里が叫び声を上げた。  不幸にもこんなところまで飛んできたロケット花火が、私たちの着火剤に当たって倒れた。  どろりと着火剤が流れ出し、落ちたロケット花火がそこで爆ぜる。   今度は私たちの目の前で、もうもうと恐ろしい火柱が上がった。 「きゃああああああ!」  樹里が私にしがみついた。  走ったら、昼に遊んだ川まですぐだ。  真っ暗で怖いけど飛び込もう。  助かるにはそれしかない。  そう思ったけど、私も樹里も突然の事態に足がすくんでしまっていた。 「あっはははは」  突然、立ち込める煙の中から高笑いが聞こえた。  向こうの家族連れの、それはいた。
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