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「会社に戻った方がいいのかな?」
「直帰だろ、そのための俺だし。」
「そっか・・・。」
俯きながら歩く私の背中を、小太郎君が少しだけ触った。
「背筋伸ばせ!!
辛気臭い見た目がもっと辛気臭くなるだろうが!!」
「そっか・・・。」
笑いながら、背筋を伸ばす。
「それに、またその眼鏡かよ!!
俺があげた眼鏡どこにやったんだよ!?」
「これが1番しっくりくるから。」
「それだと目が小さく見えるんだよ!!
しじみかよ!!!」
「強度近視だし、眼鏡すると目が小さくなるからね。」
「だから!俺がフレームとか選んで目がデカく見えるの買ってやっただろ!?」
「うん・・・。」
「髪の毛も!!
そんなオバサンみたいに後ろで一つ結びするなって!!」
それには、また笑ってしまう。
「もうオバサンだよ。
今年で31歳になるから。」
「オバサンがもっとオバサンになる!!
そんなんじゃ藤岡の奴らにバカにされるだろうが!!
お前がバカにされるってことは、うちの会社がバカにされてるんだぞ!?」
「そうだね、ごめん・・・。」
人材紹介・派遣会社の人事部で働く私、飯田真知子。
高校を卒業してから社会人になった。
23歳の時に今の会社で働くようになり、9年目の31歳。
今日から、大企業の藤岡ホールディングスの人事部へ派遣されることになった。
新卒採用担当と中途採用担当、それぞれ1人ずつの採用担当者を採用する。
そのために、こんな私がうちの会社の人事部を代表して派遣されることになった・・・。
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