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我が家、柊家の男に代々伝わる、重要な家訓がある。
大雪の日に、決して一人で出歩いてはならない。
もしも破ってしまえば命はない――、雪とともに現れる「六花さん」に囚われて、全身を凍らされてしまうから。
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――いくらなんでも、そんな昔話の「雪女」みたいなものがいるわけない、って思うだろう?
そんな家訓、ぼくだって本当なわけがないって思ってた。
だけどこないだ、出逢ってしまったんだ。その「六花さん」に。
あまりにも嘘みたいな話だから、やっぱりあれは夢だったんじゃないかって未来の自分が疑ったときのために、ぼくが見た「六花さん」のことをここに書いておこうと思う。
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