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「LIZARD」
「……LIZARD」
返事は無い。それもそうだ、この部屋には誰も居ないのだから。少年は少し間を置き、軽くため息を吐いた後
「LI ZA」
と口にした。
刹那、少年の足元から無数の0と1の羅列が飛び出す。キラキラと光る数字達は、集まりやがて1つの形を成す。そこにはまるでゲームの世界から飛び出したような…アニメーションで作られた可愛らしい少女の姿があった。
怪訝な表情を浮かべながら『リザ』と呼ばれた少女は
「その呼び方はやめてって言ったじゃない」
と、膨れた顔で少年を覗き込む。
「OSに愛称付ける方がおかしいだろ」
ほら、さっさと仕事しろ、と少年はリザの顔を天井に向けた。
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