深夜のタクシー

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「運転手さん、すぐそこの、踏み切りを渡ってから鴨川に行ってもらえますか」 俺は鴨川に行く時は、いつも国道297号線よりも、県道天津小湊線を利用していた。 その方が早くて、タクシー運転手も分かり安いからだった。 グイッ、グイッ、グイッ、グイッ、雨が大降りになってきたので、タクシー運転手はワイパーの回転数を強にしていた。 「運転手さん、こんな雨の日は、ぱ」 パンクには気をつけて下さいと言おうとしたら、雨の中を歩く老婆が、こちらに向かって 手を振っていた。 俺は、えっ?ここは、まだ鴨川ではないし、誰だ、タクシーを停めようとする奴はと思った。 タクシー今は俺が乗っているだろうが?あのお婆さんも、頭が少しいかれてないか?俺は普通にそう思った。
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