魔女の計画

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 曲がったことや嘘を嫌い、自分の正義を信じて貫く。それが、俺の知る水淵マリアという女性だった。  そんな彼女だから、あの時も証拠探しを手伝ったんだ。捻出した時間を惜しみ無く他人のために費やす先輩に憧れていた。  就職先を決めたのだって、映像研の花形だった先輩が『きっと向いている』と言ってくれたのがきっかけだった。  水淵先輩の言動は、いつだって他者への優しさや思いやりで満ちていた。  はたして、この人が自分の恨みや利益のために行動するだろうか。 「…教えてくれませんか。なんで披露宴を…」  顔を上げ、色素の薄い瞳を見つめ返すと、先輩は一瞬、少しだけ笑みを浮かべてから話し始めた。 「仇を討ちたいの。唯一無二の、友人のね。」
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