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水淵先輩には、木野あかりという友人がいた。高校の同級生にして大学の同期、同じ映像研のメンバーだった女性だ。
ミステリアスな美貌と恐ろしいまでの行動力から〝魔女〟と呼ばれた水淵先輩とは逆に、目立ちはしないが聡明で気の優しい人だったのを覚えている。
数か月前、先輩は木野さんから相談を受けた。結婚を考えている恋人がいるが、ストーカーに付き纏われて困っていると。
警察にも行ったが、実害が無いことにはと取り合ってもらえなかったらしい。
思い悩み、苦しみ、過度なストレスを抱えた木野さんは、元々体が弱かったのもあって病に臥せり、仕事も恋人との結婚も諦めて田舎に帰ることになった。
しかし、それから数週間経って、事態は思わぬ展開を迎えた。
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