眠り姫

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眠り姫

拝啓 さとみさん  久しぶりだね。  こんな形で君と再会することになろうとは思わなかったよ。  俺がこうして君宛に手紙を書くのもこれが最初で最後になるだろう。  どうしても君に伝えたいことがあって、今、筆をとっている。  遅すぎたことは承知の上だ。けれど、俺は自分の想いを……ずっと胸の奥にしまってきた想いを、この手紙に書き綴らずにはいられない。  好きだった。ずっと……君のことを。  だから君をあいつに奪われた時、俺は目の前が真っ暗になった。  僕らはいつも三人で仲良くしていて、何をするのも一緒だった。  でも本当は俺はあいつの事は内心苦手だった。  君がいたから俺もあいつとなんとかうまくやっていたのだ。  しかしまさか君があいつに奪われてしまうなんて……。  俺の悲しみ、悔しさを分かってほしい。  俺は君の幸せを心の底から望んでいた。  俺なら君を幸せにできたはずだと思うのは自惚れだろうか?  けれど、あいつはそうじゃない。あいつは君を幸せにしなかった……。  俺はあいつを許さない、決して……。  なぁ……君ももしかしたら同じ気持ちなんじゃないのか?
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