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「ただいま戻りました」
店に戻ると、ちょうど閉店時間だった。
店の扉を開けた途端、店長が駆け寄ってきた。
「凪くん、疲れが出たみたいです。こころさんが帰ってきたので、わたしは店に戻ってきました」
そう告げると、心配顔が魔法のように溶けて、心底ホッとした顔で微笑んだ。
「ありがとう、撫子さん」
その顔を見て、撫子は首を横に振った。
「いえいえ、お安い御用です。また困ったことがあったら、言ってくださいね」
そうだ、わたしは店長の弟子だ。
「一生、ついていきますから」
その言葉を冗談と思ったのか、店長はアハハハと声を上げて笑った。
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