第三章

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「うわぁ! 出たぁ」 「怖いぞぉ」 「あっち、行けっ」  相変わらずのクラスメイトたち。だけどもう、私だって黙ってはいない。 「ふーんだ、あんたたちなんか、こっちから願い下げだっての」  こんなふうにはっきり言葉に出来たのは、映画を観て以来すっかり ゆるさんのファンになってしまったからだ。ゆるさんを演じている女優の素顔がとても美しくて、ギャップ萌えしたのもある。  からかっていた男子たちは、一瞬驚いた表情を浮かべ そのまま去っていった。 「へぇ、お前も結構言うんだな。見直したぜ」  笑いながら話しかけてくる幸太郎。少しは代わりに言い返してくれたっていいのに。 「そうそう、その幽霊の名前な、俺のフルネームの中にも入ってんだぜ」 「え?」  思いがけない言葉に、彼の名を上から確認してみる。  言われてみれば、確かに。今までちっとも気付かなかったけど、幸太郎の名字の下二文字+幸太郎のコで、「――コ」になる。新発見だ。 「だから俺とお前は仲間な!」  ニッと笑う幸太郎。 「――コさんはさ……俺も結構好きだぜ」  ん? 今、私のこと好きって言った? あ、ゆるさんの方か。変に意識してしまうとは恥ずかしい。 「よき理解者がいて、ゆるさんも喜んでるだろうね」  返すと、幸太郎も「おう」と頷く。少し照れているように見えるのは、きっと気のせいだ。 「今度、一緒に映画観に行こうぜ。からかったお詫びにさ、奢るからそれで許してくれ」  う~ん、ここは「ゆるさない」と返すべきだろうか、いや真面目に答えるとしよう。私は笑顔で頷いた。 「ゆ・る・す、よっ♪」

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