お持ち帰りはユルサナイ

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「そりゃあ、Bが注射器盗んだことだろ。ちょうどその後に声も入ってるし。おまえ、返しに行って来た方がいいんじゃねえ?」  それにはCが半分冗談、半分本気といった感じでそう答えます。 「誰がんなめんどくせえことすっかよ。盗んだとか人聞き悪ぃこというなよな。新品だし、看護婦の霊のもんってこともねえだろ。濡れ衣だぜ、濡れ衣」  対してBもニヤニヤしながら、本気にはとらずにおちゃらけて言葉を返しました。  無論、あまり本気で怖がっていないのはAや僕にしてもやはり同じです。  けっきょく、何度やっても動画をUPすることはできませんでしたが、その後、よく心霊スポットを訪れた後に聞くような事故に遭うなんてこともなく、僕らは盛り上がるだけ盛り上がって、三々五々に別れました。  その後、僕はバイトやらなんやかや用事があって、二、三日後には都会へ帰ってしまい、この一件のこともすっかり忘れ去っていたのですが……一月ほど経った頃、突然、Cから電話がありました。
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