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「よお、夏休みに帰った時以来だな。どうした急に?」
僕は電話に出ると暢気にそう尋ねたのですが。
「いや、それがさ……Bが死んだんだよ」
いつになく重々しい口調で、予想もしていなかったことをCは言うんです。
「え? ……Bが死んだ? どういうことだよ?」
初め聞いた時、唐突すぎて僕はその言葉の意味をよく理解できませんでした。
「どうやら自殺らしいんだ。俺も詳しくは知らないが、ここんとこ、なんだか様子が変だったらしい……あの廃病院に行った頃からな」
「えっ……!?」
廃病院……その言葉を聞いた瞬間、あの〝ユルサナイ〟という恐ろしげな女性の声が僕の脳裏を過ります。
「とにかく、そういうことで明後日、葬式だから。俺もAも帰る。おまえも来るよな? そん時にまた話そう」
Cはそう言って電話を切り、僕らは再び故郷の街へ戻ると、Bの葬式でまた顔を合わせることになりました。
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