a backwards letter

2/6
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
翔太は私の婚約者だった。 出会いは友達の紹介で、何回かの食事の後、すぐに恋人となった。付き合ってからケンカもしたことがなく、二人でいる時はずっと幸せに満ちていた。そして、三年の交際を経て、来月に結婚する予定だった。結婚式の日取りも決まり、準備を進めていき、幸せの絶頂だった。そんな時に、翔太は交通事故に合った。 トラックにはねられて、頭を強く打ち、そのまま帰らぬ人となった。それを聞いて、私の頭の中は真っ白になった。動かなくなった翔太を見ても、信じることができず、ただ呆然としていた。 葬儀を終えてから、急に感情が押し寄せてきた。悲しくて、声をあげて泣いた。一日中泣いて涙も枯れ果てた頃、私を襲ったのは、死にたいという気持ちだった。翔太とこれから幸せな生活を送るはずだった。翔太のいない生活なんて考えられない。早くこの世から消えたかった。他のことは何も考えられず、ただ死ぬことだけを考えていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!