プロローグ

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プロローグ

 私は、あの時の自分を、きっとーー許せない、許さない。  私は、すれ違った。 彼と、彼女も、すれ違った。  すれ違いで、こんなに変わってしまうのが許せなかった。  何よりも許せなかったのは、自分自身だ。    まとわりつく空気が、苦しくて。重くて。  身動きが取れなかった。  何より許せないのは自分自身。  あの日の自分自身が、私は許せない。  どんなに無力かを、思い知った。  だから、もう二度と、あんなことにならないように。  何とかしたいのに、動けないなんて嫌だから。  私は、まとわりつく重たい空気に呑まれて、動けなかった自分を、 あの日の自分を、許さない。  そうすることで、忘れない。  あの日の悔しさを忘れずに、どうしたら良いかを、考え続ける。
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