ゆるさない

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私は彼をゆるせない 「こいつやばw」 教室に響き渡るその声はクラス全員の耳に届いた。 「なんで学校きてんのw」 「学校きてんのゆるせないと思う人ー!」 そう言う彼は教師から好かれ先輩にも好かれ クラスのリーダー的存在だ。 彼の性格が悪いのは、クラスの中で知らない人はいない。 「はは、ゆるせないよね、」 「来ない方がいいんじゃない??」 「かーえれ、かーえれ、かーえれ」 たくさんの声が教室中にひろがる。 裏ではいじめはよくない、あいつは顔がいいだけだ だの散々言ってるくせに、結局は彼の意見に賛成して自分をまもることしかできないんだ。 「………」 うつむき、何も言えない。それはそうだ。こんなにいじめられてるんだから。 彼はいい人なのに、ただ静かなだけなのに。 「おまえもそうおもうでしょ?w」 私にその言葉は投げかけられた。 「う、うん!なんできてるんだろうね、ゆるせないよ!」 目の前の恐怖に逆らうことはできない。 ごめんねと心の中で謝ることだけが、彼のためだと思っているただの自己満足な偽善者だ。 そう自分をさげることで自分は弱い人間だからしかたないのだと思い込んでいる。そう生きている。 目の前で起こる出来事 頭に響く音 忘れたくても忘れられない現実だ。 そんな日々を過ごすうちに彼は学校に来なくなってしまった。 クラスのみんなはおもっているだろう。 「ごめんね」 自分たちも加害者なのに。 変わる日は突然来た。 いじめていた彼が捕まったのだ。 理由は暴行、未成年喫煙・飲酒らしい クラスのみんなはおもっただろう。 「あいつはそーゆーことをするやつだ」 先生達は驚いたと言っていた。 そして彼は学校に来なくなった。 自業自得だ、だってあんな酷いいじめをしていたんだから。 ある日、いじめられていたかれが学校にきた。 みんなは口を揃えていった。 「ごめんね」 「助けられなくて」 「ごめんね」 「否定できなくて」 「ごめんね」 「反論できなくて」 彼は 「大丈夫だよ、あれはこわいもんね!」 とわらっていった。 その笑顔は曇りがない美しいものだった。 こんなに素晴らしい人なのに… 彼の人生を狂わしてしまった。 彼の心に一生きえない傷を残してしまった。 彼をいじめていたやつへの怒りや、いじめをとめれなかった怒りが心から湧き上がってきた。 私は彼をゆるせない そして
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