胸糞ピエロのからさわぎ

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 ちょっと用事があるとでも言えばいいのに、平然と混じってくる。  俺は昨日、悶々とさせられたせいで授業内で提出する小課題のレポートを忘れていた。鳥居と成田が、焦った末に講義中に手書きでレポートを書きなぐった俺を笑うのは分かる。なんで太陽が輪に加わって笑っているのかは、分からない。ちょっと非常識じゃないか。  ちゃっかりレポートも用意して来やがっていた。  振られた夜にレポート書けるか? 俺にはその心理が分からない。もしかしてサイコパスというやつかもしれない。考えれば考える程、目の前のイケメンがサイコパスの条件を備えている気がする。やはり俺は被害者だった。  察した時点で一歩引けばよかったのかもしれない。なのに、どうしても苛立ちが抑え難く、俺は太陽に仕返しというか腹いせというか、性格が悪いと思われたくないのでこの言葉は使いたくないが、嫌がらせをしたくなった。  飲みに行こうぜ、と言い出したのは鳥居だった。  夏休みを二週間後に控えた金曜日のことだ。土曜の講義を取っている奴はいつもの四人組のなかには居ないので思い切り飲むなら金曜日がお決まりだ。そもそも三年ともなると講義自体が減るので四人が揃うのは例の、俺が小課題を忘れた講義と、飲みの場くらいしかない。  金曜日は俺と鳥居と成田が4限にそれぞれ講義があって、太陽は講義の無い日だが大学近くに一人暮らししているので呼び出せばすぐに出てこれる。というわけで鳥居の号令で、金曜日に飲み会の流れになることが多い。  その日は梅雨明け記念飲み、と(うた)っていた。理由はなんでもいい、インターンを控えた憂鬱を吹き飛ばせればそれで。
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