ABRUPT

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気まずい雰囲気のまま、一時間ほど車を走らせていた。途中にあるサービスエリアで休憩をするのはいつものことだったが、旺志郎は何かを言いたそうに口をもごもごさせて先に車を降りた。 はあ、どうしていつも私を置いて先に行っちゃうんだろう…… 旺志郎の後ろ姿は、何回見ただろうか。横に並んで歩くなど、私の記憶の中には一度だってなかった。 もっと、恋人らしいこと、したいのになぁ…… らしい、って何だろう。 「お昼は、うどんでいいよな? 凛伽、好きだもんな」 「えっ? あ、うん」 嫌いじゃないけど、今はそういう気分じゃない。私の気持ち、聞いてくれないのかな。 いつもはご飯を食べていても、パスタを食べたくなる時もある。 笑っていても、泣きたくなることもある。 注文した山菜うどんを一口、口に含ませて私は箸を置いた。
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