8 トトと一緒に、SAMHEIN(サーウィン) 祭りの訓練を

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「ねぇ、トト。そのと言う方達は……、どんな辛い思いをしているのかしら」 「ん? あー、そりゃ良い生活ってのとは程遠いだろうな。一部にゃ金持ちもいるよ。ちょっと前に西部で金脈掘り当てた奴等だな。まぁ、それ以外は大体そいつらの奴隷みたいなもんだろうけど」  何てこと……。かつてお姉様達がSalem(セイラム)に逃げられる前のように、イミンの方々も酷い仕打ちを受けているのかもしれない。想像しただけで心が痺れそうになる。   「……分かったわ、三日毎よね」 「本当か?!」  頷くと、咄嗟にトトが私の両手を掴んだ。 「ありがとな、凄く助かるよ!!  巨人の如く大きな掌に包まれて身動きできない。同時に、少しだけ恐怖も入り混じった胸のときめきを抑えられなかった。  ちらりと視界の隅に裏庭が覗く。まるで身ぐるみ剥がされたように色のない木々が痛々しい。 「……私が出来ることは本当にちっぽけだけれど、……もし、この子達(木々)がイミンの方々の屋根になり護ることが出来るのなら……私、頑張るわ」  すると、何故かトトが手を離した。  神妙な顔つきで黙ったと思うと、 「なぁ、その移民達を思うのがお前の良いところだけどよ……俺のことも、ちっとは考えてくれよな」 「……えっ、と……?」 「全くニブいなぁ。俺としちゃ、ドロシーに毎晩来て欲しいってこと!」  ――どうして私、ドキドキするの。  あの晩を思い出すと、胸の奥が火照るように熱が籠る。  約束通り、何とかお姉様方の視線を忍んで森の境界を越えて〈外〉へ、トトの小屋へと通い続けて半月。初めこそ、山毛欅(ぶな)の木も樫の木もピクリともせず私を拒み続けていた。  それもその(はず)、アスファルトと呼ばれる灰色の道に囲まれた村の一帯で育つは〈外〉の人間達に声を閉ざし続けていた。  ……大丈夫、大丈夫よ。  
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