メイドカフェ

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メイドカフェ

 それから一週間近くが経った日の晩、陽咲からメールが来た。 『このあいだはごめんなさい』  そんな謝罪の言葉で始まるそのメールには、自分が間違っていたと、もう二度と心配させるようなことをしないと、真摯な言葉で綴られていた。  そして、ゴールデンウィークの翌週の土曜日を最後にメイドカフェのバイトを辞めること、女の子でも気軽に入れるカフェだから一度友達を誘って遊びに来てくれると嬉しいと書かれていた。追伸として、『お兄ちゃんは絶対にNG』と但し書きが添えられていて、頰が緩んだ。  千尋を誘ったら二つ返事でオーケーしてくれた。そして、千尋は何を思ったのか吉木にまで声をかけた。千尋と吉木は、週に一度倫理の授業で顔を合わせるだけの仲だ。私が文句を言うと、『メイドカフェなんだから男もいた方がいいと思う』『ユメちゃんが塩対応する吉木という男に興味がある』と主張した。後者については面白がっているだけに違いない。    ゴールデンウィークはおばあちゃんの家に帰省した。  ちゃんと食べているのか、父親に嫌な目に遭わされていないかと、結局会っても会わなくても心配するおばあちゃんを安心させるのに苦労した。  おばあちゃんは、私のために毎日手の込んだ料理を振る舞ってくれた。私が手伝おうとすると、いいから休んでなさいと言って、何もさせてくれなかった。  父親と違って、何も言わなくてもしたいことや欲しいものを分かってもらえて、私は久しぶりに心安らぐ時間を過ごした。  ただ、千尋の写真を見せた時に、「もっと頭の良さそうな子と仲良くしたらいいのに」と言われたのだけは、悲しかった。  あっという間に一週間が過ぎて、別れ際、おばあちゃんは皺くちゃの手で私の手をギュッと握った。心配ばかりかける不孝者の孫を責めもせず、困ったら帰ってくるんだよと言って、私に交通費を握らせた。私は最後まで、おばあちゃんに貰った十万円を父親に盗られたことを、打ち明けることができなかった。  陽咲が働くメイドカフェは、電車で二駅行ったところにあった。  大学の近くに部屋を借りている千尋は反対方面のため、現地の駅で集合することにした。 「俺、メイドカフェって初めてだわ」  待ち合わせたわけでもないのにホームで遭遇した吉木は、鬱陶しいほどテンションが高い。その隣には当然のようにマチョコがいる。この二人の関係性がよく分からない。いつも一緒にいるけど、付き合っているわけではなさそうだ。  電車に乗りこんで、ドア付近に固まって立った。 「マチョコちゃんまで付き合わせることなかったのに」  吉木はまだ叶多と接点があるからいいけど、マチョコには何の接点もない。申し訳なく思って吉木を咎めたら、マチョコに睨みつけられた。 「いーじゃん、面白そーだし。暇してたろ?」  吉木が呑気にマチョコに問いかける。 「えー、情報処理のレポート書かなきゃだし」  マチョコが金色の髪をいじりながら答える。 「あんなの楽勝っしょ」 「ジュンペーの班のテーマはそうかもしんないけど、うちの班はめっちゃ調べないとでさぁ」 「その話やめよーぜ。ゆーちん分かんないじゃん」  愚痴りだしたマチョコを吉木が制した。空気がピリついて、たった二駅が遠い。 「社会学部ってどんなこと勉強するの?」  気まずい沈黙に耐えかねて、二人に尋ねた。 「社会についてだよ」  吉木がそんな漠然とした答えをよこす。 「うん、そうなんだろうけど、社会って広くない?」 「そうだよ。だからいろんなテーマやるよ。高齢化とか、教育のこととか、メディアとか、あと歴史とか。あ、二年目に心理学の授業もあるよな。俺、楽しみなんだけど」 「えー、でも心理学って悪趣味な感じしない?」  マチョコが私に対する当て付けのように言う。 「そう?俺はそうは思わねーけど」 「だって、人の気持ちを見透かしてやろうとかそういうことでしょ、心理学って」 「そんなことはないよ」  心理学に対する誤った認識を正したくて思わず否定すると、また睨みつけられた。どうしても私のことが気に食わないようだ。今日もきっと来たくもないのに吉木に強引に誘われたに違いない。そう思ってマチョコに同情した。 「まぁでも人の心が読めたら最強だよなー」  この空気をどう思っているのか、張り詰めた空気に気づいてすらいないのか、吉木が能天気に言う。 「ゆーちんは何で心理学部にしたんよ?」  軽い調子でそう尋ねてきた。 「自分のことをもうちょっとよく知ろうと思って」  いつものように面白そうだからなどと答えたら、マチョコにますます誤解されそうだと思って、本当のことを答えた。 「へー」  ドアに寄りかかっている吉木が、面白そうに眉を上げる。 「俺もゆーちんのこともっと知りてーな」 「またそんな思ってもないこと言って」 「本気だよ?」  真面目に答えるんじゃなかったとすぐに後悔した。 「ゆーちんはさぁ、本当にヒナちゃんが働いてるとこ見てーだけなのかよ?」  質問の意図が分からず訊き返す。 「ヒナちゃんの向こうに長谷川が見えちゃってんじゃねーの?」 「だから違うって言ってるじゃん。昔からヒナちゃんとも仲良かったの」  吉木が本気で言っているのか揶揄っているだけなのかよく分からない。 「そんな風に割り切れるもんかね。長谷川とあんなに仲良かったじゃん」 「その話、マチョコちゃんに分かんないでしょ」  そう返したら、吉木はやっと口をつぐんだ。それと同時くらいに降りる駅に到着して、その話はそれきりになった。  千尋はすでに待ち合わせ場所で待っていた。金色の髪を綺麗に編み上げて、ストライプのミニワンピに、長袖のジャケットを羽織っている。ヒールの高いサンダルを履いた足の爪には、鮮やかなピンク色のネイルが光っている。適当な格好で来た自分が恥ずかしくなった。 「マチョコちゃんも来たんだ」  千尋が気さくに話しかける。千尋は、吉木とマチョコの関係性について、マチョコからの一方的な好意を吉木が受け流しつつキープしている状態だと推測している。 「マチョコってあだ名だよね?本当の名前は何ていうの?」  千尋に訊かれて、マチョコが短く「本間」と答える。 「そうなんだ。あたしもマチョコって呼んでもいい?」  彼女の親しみやすさにマチョコも少し心を許したようで、軽く微笑んで頷いた。 「マチョコも吉木くんも社会学部なんだよね?二人は高校も一緒だったんだっけ?」  歩きながら千尋が尋ねている。社交的な彼女の存在がありがたかった。 「そ。んで、俺とゆーちんは小中一緒で、今から会いに行くヒナちゃんは、中学ん時一緒だった長谷川って奴の妹。ややこしーね」  吉木が自分で言って自分でウケている。 「へえ、ユメちゃんと吉木くんって小学校から一緒なんだ。幼馴染なんだね」 「ううん、仲良かったわけじゃないから」  私が否定すると、千尋がおかしそうに笑って、吉木が「つれないよなー」と大げさに嘆く芝居をする。 「小学生の時からお互いのことは知ってたの?」  千尋がさらに訊いてくる。私と吉木の関係に興味津々なのだ。 「まあ、いるってことは知ってたし、挨拶くらいは」  吉木が答えるかと思って少し待ったけど、何も言わないので私が答えた。 「良かったー。小三ん時から同じクラスだったし、認識すらされてなかったら俺、泣いちゃうとこだったぜ」  吉木がそう応じる。いちいち軽口を叩いてくるのが鬱陶しい。 「吉木くんって、ユメちゃんのこと好きだったでしょ」  千尋までそんなことを言う。 「ピンポン、大当たり」  吉木も悪ノリしている。 「適当なこと言わないでよ。あんまり話したことなかったでしょ」  マチョコの手前、強く反論した。 「嘘じゃねーって。クラスにすげー性格悪い女子がいてさ、みんな敬遠してたんだけど、ゆーちんだけ仲良くしたげててさぁ、それ見て良いなーって密かに思ってたわけよ、この吉木少年は」  吉木は急に昔の話を出してきた。 「何て名前だったっけ、あいつ。モトス……、ああ本栖恵梨香だ。中学は私立に行ったんだよな。全然名前聞かねーけど、ゆーちんは今も連絡取ってんの?」  思い出さないでほしかった。恵梨香が私の父親との子供を産んだ、なんて言えるわけがない。 「ああ、いたねそんな子。忘れてた」  嘘をついた。千尋は私の様子を少し気にする素振りを見せたけど、放っておいてくれた。  千尋が話題を変えてくれて、マチョコも振られれば会話に参加したりして、そうやって歩いているうちに目的地に着いた。  そのメイドカフェは、ホームページで見た写真よりも落ち着いた外観で、土曜日のお昼時という時間帯もあって混んでいた。三十分ほど並んだ後、クラシカルな黒色のメイド服を着た女の子から熱烈な歓迎を受けながら店内に案内された。私たちを席に案内してくれた子のスカートは中が見えないか心配になるくらい短かったけど、他の店員を見るとスカートの丈は人によってまちまちで、席に案内された後すぐにやって来た陽咲のスカートは膝下まであって内心ホッとした。 「来てくれてありがとう、ユメちゃん。吉木さんも、ありがとうございます!」  陽咲は、千尋とマチョコにもにこやかに挨拶して、メニューの説明をしてくれた。そして、受けたオーダーを通しに一度奥に引っこんで、飲み物を手に戻ってきた。 「すげー似合ってんね、メイド服」  ファンシーな飲み物を受け取りながら吉木がデレデレしている。 「ありがとうございます!あたしもこのメイド服が好きでここで働くことにしたんです」  一見シンプルだけど、よく見ると胸元のエプロンに凝った刺繍が施されていて、上品な印象を与えている。 「じゃあ美味しくなる魔法をかけていきますね」  そんな陽咲のメイドっぷりを楽しみながらランチを食べて、記念撮影もして、一時間ほど滞在した後、店を出た。  店を出る時、陽咲に「しばらくこの辺にいる?」と訊かれた。頷くと、「夕方になると思うけど帰る時連絡する」と耳打ちしてきた。 「思ってたよりもしっかりした子だった」  千尋は陽咲をそう評価した。千尋には、陽咲が前に話した金髪の高校生だと伝えてあった。千尋が陽咲のことをそう評価したことが、自分のことのように嬉しかった。  それから吉木の提案でボーリングをした。私が初めてだと言ったら、吉木が張り切って手取り足取り投げ方を教えようとしてきて、鬱陶しかった。それでも、ピンが倒れれば嬉しくて、マチョコは上手すぎて、千尋と吉木はデッドヒートを繰り広げていて、何だかんだ盛り上がった。  二ゲーム終えてお手洗いに立った時、鏡に映る自分の口角が上がっているのに気づいて、ふと叶多を想った。彼はこんな風に友達と遊ぶことも諦めてしまっているのだなと思ったら、途方もなく寂しい気持ちになった。  その後、さらにもう一ゲームやって、ボーリング場に併設されているゲームセンターで少し遊んでから、吉木たちと別れた。千尋は、陽咲を待つ私に付き合って残ってくれた。  陽咲は、十七時頃になって、私と千尋のいるカフェに現れた。 「もう大丈夫になったんだね」  彼女の姿を見て言葉を失った私の代わりに、千尋が優しく声をかけた。制服姿の陽咲は、髪の色を黒に戻して、メイクを落として、あどけない少女に戻っていた。ストレートのさらさらな黒髪が美しい。 「金髪のメイドさんも可愛かったけど、今のヒナちゃんも可愛い。すごく素敵だよ」  千尋の言葉に何度も頷いた。陽咲は緊張が解けたように頰を緩ませた。 「そっかぁ、ユメちゃんに一番に見せたかったんだねぇ」  カフェを出て駅に向かう途中で千尋にそう言われて、陽咲は少し照れくさそうに、はにかんだ。 「こないだは本当にごめんなさい」  千尋と別れて、電車の中で陽咲は再び謝ってきた。  あれから叶多と話して、陽咲が知らない男からいかがわしい目で見られているんじゃないかと思うと耐えられないという兄の本音を聞いて、メイドカフェを辞めることにしたのだそうだ。 「でもね、そんなつもりでメイドカフェで働いてたわけじゃないんだ」  そう陽咲は言った。 「あの店ね、ちょっとくらいだったら制服をアレンジしても良くって。事前相談は必要だけど。だからあたし、エプロンに刺繍入れたり、他の子の制服にリボン付けたり、結構好きなようにやらせてもらってたんだ。お店にある小物も作ったりして」  あの凝った刺繍が陽咲の手によるものだったのかと驚いた。もともとそういうデザインかと思っていた。 「お兄ちゃんは大学に行けって言うけど、あたし、正直勉強とか興味なくって、ファッション関係の仕事がしたいと思ってる。制服ばっか着てるのも、その辺で売ってる服で妥協したくないから」  それを聞いて、陽咲と一緒に叶多のお母さんから編み物を教わったことを思い出した。叶多のお母さんは、書道だけでなく手芸全般も得意で、陽咲によく手作りの洋服を着せていた。 「そっか。ヒナちゃんはファッションに興味があるんだね」  陽咲が好きなことをちゃんと持っていて、それを私に教えてくれたことが、嬉しかった。  叶多は知っているのかと尋ねたら、陽咲は首を横に振った。 「話してみなよ。カナタくん、ヒナちゃんにやりたいことがあるって知ったら喜ぶと思うよ。そういうことを専門に学べる学校だってあるでしょ?相談してみたら?」 「でも、ファッションなんてって、思わないかな」  陽咲が不安そうに呟く。 「お兄ちゃん、勉強すっごくよくできたでしょ。行ってた高校もめっちゃ進学校だったしさ。すごい大学行って博士にでもなるんじゃないかって、お父さんが期待してた」  知らなかった。叶多とは同じクラスにならなかったし、叶多の両親も同級生の私の前ではそういった自慢じみた話を避けていたのかもしれなかった。優しい人たちだったから。 「だから、お兄ちゃんを差し置いて大学に行くのが心苦しくて。それも、理系とか文系とかじゃなくてファッションを勉強したいなんて」  陽咲がギュッと学生鞄を抱きしめる。実采のランドセルに付いているのとお揃いの、ニモのあみぐるみが揺れている。  陽咲が申し訳なく思う気持ちは理解できた。でも、そのせいで陽咲が自分の道を狭めることの方が、叶多にとってはよっぽどつらいだろうとも思った。 「カナタくんは、ヒナちゃんのこと応援したいと思うな」  叶多は、口を開けば陽咲のことばかりだから。  陽咲の方を見ると、まだ浮かない顔をしている。 「分かるよ。わたしも正直、カナタくんのことは心配。無理して身体壊さないかなとか、もっと自分のことも考えたらいいのに、とは思う」  本音を口に出したら、陽咲は何度も頷いてきた。 「でもさ、カナタくんは今、ヒナちゃんたちのことで必死だから。ヒナちゃんは遠慮しないでやりたいことをやったらいいんじゃないかな。その方がお互いに幸せだと思うよ」  今の叶多には、自分を大事にしろと言ってもきっと伝わらない。少なくとも私の言葉では。寂しいけど、せめて彼が必死に守ろうとしている妹と弟たちが、幸せであってほしいと願う。 「……いいのかな、それで」  まだ迷っている様子の陽咲に大きく頷きかけた。それを見て陽咲も、自分に言い聞かせるように、一つ小さく頷いた。  叶多の家には寄らないつもりだったけど、連休中に叔母さんの家に行った時のお土産を渡したいと言われて、玄関先までのつもりで立ち寄った。 「あ!姉ちゃん、髪の毛黒くなってるー!」  玄関に出てきた幸多が、陽咲の頭を指差して叫んだ。それを聞きつけて、奥からドタドタと菜箸を持った叶多が走ってきた。陽咲を見てホッとしたように微笑んだ後、私に気づいてあからさまに目を逸らした。自分が彼にとって邪魔者であることを再認識させられて、悲くなった。 「じゃあ、帰るね」  居たたまれなくなって陽咲に声をかける。 「あ、待って待って。今お土産持ってくるから」  陽咲が慌てて家の中に駆けこむのを、叶多が追いかけていって、 「晩ごはん食べてくか訊いてみたら?」 と声をかけているのが聞こえた。私を露骨に避けてしまったから後ろめたいのだろうかと、思考がネガティブな方向に落ちていく。 「ああ、ミコトくん」  いつの間に降りてきたのか、実采が階段の前に立っているのに気づいて、慌ててネガティブな思考を停止させた。 「帰らない?」  二メートルほど離れた場所から訊いてくる。 「ん?」 「今度は勝手に帰らない?」  どうやら、私がここに泊まった時に、実采が寝ている間に帰ったことを怒っているようだ。この間ここに来た時も、実采に声をかけそびれてしまった。 「ごめんね。今度からはちゃんと、帰る時ミコトくんに挨拶するね」 「うん、そうしてっ」  実采はそれだけ言うと、戻ってきた陽咲とすれ違うように二階へと駆け上がっていった。陽咲が、何かあったのかと目で問いかけてくる。 「こないだわたしが勝手に帰っちゃったから、怒らせちゃったみたいで」 「ああ。しばらく拗ねてたな。反抗期なのか、前からややこしかったけど、もっとややこしくって」 「ヒナちゃん」  やんわりと咎めた。実采に聞こえるかもしれない。 「あ、そうだ。もし良かったら晩ごはん食べてかない?」  断るつもりだったけど、実采に釘を刺されてしまったし、言葉に甘えることにした。さっきまでのマイナス思考は立ち消えていて、心というのは不思議だなと思った。  叶多が作った焼うどんは美味しかった。  実采は、陽咲が反抗期だというのも頷けるくらい、食事中もずっと不機嫌で、帰る時に「またね」と声をかけたら、プイッとそっぽを向いてしまった。  幸多を抱っこした叶多が、家の前まで見送りに出てくれた。 「ヒナタのこと、ありがとうね」  叶多がそうお礼を述べると、 「ありがとうね」と幸多が可愛く真似をした。  日が長くなって、十八時過ぎてもまだまだ明るい。 「またいつでも遊びに来て。家に居づらい時とかさ」  あやすような歳でもないのに、幸多のことを小さく揺らしながら、叶多はボソボソと言った。地面に目を落としていて、そこにある感情や思惑を読み取ることはできない。彼の真意を確かめたかったけど、こっちをじっと見つめてくる幸多の前では、それも憚られた。 「うん」  素直に頷いて、笑顔で手を振った。  叶多に見られているかもしれないと思うと、何だかうまく歩けないような気がした。
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