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由宇の会話も息切れするようになって来たある日。
僕はベッドのすぐ横に座り付き添っていた。
すると由宇が僕に手招きして顔を近づけてと言っているようだったので、そうすると……。
「宇宙さん…私が…死ん…でも…再婚は…絶対にしないでね…もししたら…その女の人…呪うから…再婚は…ゆるさない…」
そう、途切れ途切れの息のあいだをぬって言ったから、僕は戸惑いながらも由宇の手を握った。
後にも先にもそんなことは二度と言わなかったけれど、僕はそのときのことを忘れることは出来なかった。
そしてこのことは、誰にも言わなかった。
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